突発性難聴とは、ある日突然に片側の耳が聞こえなくなる、または著しく聞こえにくくなる疾患であり、一般的には数時間から数日以内に症状が進行するとされます。30代から60代の成人に多く発症し、年間の発症率は人口10万人あたり20〜30人程度とされています。耳鳴りやめまいを伴うこともあります。
現代医学では、突発性難聴の原因は「不明」とされていますが、有力な仮説として以下のようなものが挙げられています。
1. ウイルス感染:内耳にウイルスが侵入し、蝸牛神経や内耳の感覚細胞に障害を引き起こすと考えられています。これは風邪やインフルエンザのあとに発症するケースがあることからも支持されています。
2. 内耳の循環障害:内耳は非常に細い血管から酸素と栄養を受け取っているため、血流が阻害されると機能が急速に低下します。高血圧や糖尿病、動脈硬化などの影響が関係している可能性があります。
3. 自己免疫異常:自己の免疫系が内耳の組織を誤って攻撃するという仮説もあります。
4. ストレスと自律神経の関与:強いストレスや疲労が引き金となって、血流や神経のバランスが崩れ、聴覚機能に影響する可能性も示唆されています。
現代医学では、早期の治療が非常に重要とされ、発症から一週間以内に治療を開始することが予後を左右するとされています。主な治療は以下の通りです。
ステロイド投与:炎症を抑えるとともに、内耳の浮腫を軽減する目的で使われます。経口または点滴、場合によっては鼓室内注射も行われます。
循環改善薬やビタミン剤:内耳の血流を改善する目的で用いられます。
高気圧酸素療法:内耳により多くの酸素を供給するために行われることがあります。
しかし、すべての症例で治療が奏功するわけではありません。特に、以下のような場合には治療効果が乏しいことがあります。
発症からの治療開始が遅れた場合(特に2週間以上経過)、重度の難聴(聴力が90dB以上)の場合、めまいや耳鳴りなどを強く伴っている場合、高齢者や基礎疾患(糖尿病、高血圧)がある場合です。
こうした場合には、回復が難しく、聴力の一部あるいは全部が失われたままとなることもあります。
東洋医学、特に漢方医学や鍼灸治療では、突発性難聴は「腎虚(じんきょ)」「肝気鬱結(かんきうっけつ)」「瘀血(おけつ)」などの病態として捉えられます。これは身体全体の気・血・水のバランスの乱れが耳の機能に影響を及ぼすとする考えに基づいています。
1. 腎虚:東洋医学では「腎」は耳と深く関係しており、加齢や疲労によって腎の気が弱まると、聴力に支障が出るとされます。
2. 肝気鬱結:精神的なストレスや怒りによって「肝」の気の流れが滞り、耳の機能が阻害されると考えられます。
3. 瘀血:血の巡りが悪くなることで、内耳への栄養供給が滞り、突発性難聴が発生すると捉えられます。
東洋医学の治療法は
漢方薬:八味地黄丸、補中益気湯、加味逍遙散、当帰芍薬散など、個人の体質や症状に応じた処方が行われます。
鍼灸:耳周囲や全身の経絡に針を刺すことで、気血の流れを整え、内耳機能を改善する効果が期待されます。
養生指導:食事、睡眠、ストレス管理、生活リズムの調整など、全身状態の改善を重視します。
西洋医学の治療が効果を示さなかった場合、東洋医学的アプローチを併用することで体質改善や症状の緩和が期待されることもあります。特に慢性的な耳鳴りや、軽度ながら回復しない難聴に対しては、東洋医学が補完的な役割を果たす可能性があります。
私の鍼灸院では以上の要素をカラーチップに変換した色彩治療によりより高い効果を上げています。
また、心理的なケアも見落とせません。突発性難聴は突然の発症による不安やストレスを生むため、心身両面のケアが求められます。認知行動療法やカウンセリングが効果を示す場合もあります。
このように、突発性難聴は原因が多岐にわたるため、現代医学的治療が功を奏しない場合でも、東洋医学を含めた統合的アプローチによって、患者の生活の質の改善や症状緩和につながる可能性があります。大切なのは早期発見と継続的なサポート、そして多角的な視点でのアプローチです。
施術でどうしても改善されない場合は、補聴器の使用が推奨されます。近年の補聴器は雑音抑制機能や指向性マイクが進化しており、快適な聞き取りが可能です。
発症時の適切な対処と、回復が困難な場合の選択肢を理解しておくことが、患者の長期的な生活の質を維持するために重要です。
著作者紹介
保田宏一、1960年生
1985年東京都立大学工学部工業化学科卒業。同年凸版印刷株式会社中央研究所入社、1988年東京工業大学院総合理工学研究科電子化学専攻山崎研究室に2年間国内留学。1991年ソニー株式会社総合研究所入社。以降光ディスクの研究開発に携わりブルーレイディスクの記録膜を開発した。1999年伯父の加島春来が色彩治療を開発した。色彩治療について研究するための医学知識を得るべく花田学園日本鍼灸理療専門学校にエンジニアをしながら3年間夜学に通い、2002年鍼灸師資格取得。2014年ブルーレイディスク研究開発終了したので、色彩治療の研究をするため青山色彩鍼灸院開院、現在に至る。趣味はエレキギター演奏で自称おしゃれなフュージョンギタリスト。
お電話ありがとうございます、
外苑前の整体 青山色彩治療院 TOPでございます。