高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれ、自覚症状が乏しいまま進行し、脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの重篤な病気を引き起こす可能性がある疾患です。多くの人が降圧薬を服用しながらも「血圧が下がらない」「薬をやめるとすぐに戻ってしまう」と感じており、そのような“治らない”状態には、実にさまざまな原因が関わっています。ここでは、現代医学と東洋医学の両面から、その原因と対策を探っていきます。
まず、現代医学の視点から見ると、高血圧が改善しない主な要因の一つに生活習慣の見直し不足があります。多くの人が降圧薬に頼る一方で、日常の食習慣や運動習慣に無自覚なまま過ごしてしまっています。特に日本人は塩分摂取量が多い傾向にあり、理想的な1日6グラム未満という目標に対して、平均摂取量は10グラムを超えているとされます。また、運動不足や肥満、喫煙、過度のアルコール摂取、そして慢性的なストレスも、血圧のコントロールを妨げる大きな要因となっています。
次に考えられるのが、二次性高血圧の存在です。高血圧のうち約5〜10%は、腎臓疾患やホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群など、特定の病気が原因で起きているケースであり、これを「二次性高血圧」と呼びます。このような場合は、根本の疾患を特定し治療しなければ、いくら降圧薬を変えても効果は限定的です。
また、見過ごされがちなのが治療アドヒアランス、すなわち服薬の継続性や正確さの問題です。薬の副作用が気になって自己判断で中止したり、指示通りに服用していなかったりすると、当然ながら血圧は安定しません。特に、朝晩で血圧が大きく変動するタイプの人は、薬のタイミング一つでも効果が大きく変わるため、医師との密な連携が必要です。
これに対し、東洋医学では高血圧の原因を「気・血・水」の乱れと捉えています。たとえば、イライラしやすく怒りっぽい人は「肝陽上亢(かんようじょうこう)」と呼ばれる状態で、体内のエネルギーである“気”が頭部に上昇し、血圧が上がりやすくなります。加齢によって腎の働きが弱くなった高齢者には「腎虚(じんきょ)」が見られ、身体全体の調整力が落ちて血圧が不安定になります。また、肥満体型でむくみがちな人は「痰湿(たんしつ)」と呼ばれる、余分な水分や老廃物が体内に滞っている状態であり、これもまた高血圧の一因となります。
さらに、東洋医学では「未病(みびょう)」という概念を重視しています。これは、まだ病気とは診断されないものの、体のバランスが崩れており、放っておけば病に至る一歩手前の状態を指します。高血圧も、血圧の上昇が始まったばかりの段階で、気の巡りや血の滞り、水分代謝の異常といった体質的要因に気づき、整えていくことで悪化を防ぐことができるのです。
具体的な東洋医学的な対策としては、鍼灸によって気血の流れを整えることが挙げられます。たとえば「太渓」「合谷」「足三里」「風池」「肝兪」などのツボを使い、特に首肩や頭部の緊張を緩めることで、自律神経のバランスを整え、血圧の安定化を図ります。また、体質に応じて漢方薬を用いることも有効です。神経過敏で眠れないようなタイプには「柴胡加竜骨牡蛎湯」、めまいやふらつきを伴う人には「釣藤散」、加齢による腎の弱りには「牛車腎気丸」などが用いられることがあります。色彩治療には漢方薬をカラー化したものがあり、副作用がないので漢方薬よりおすすめです。
さらに、東洋医学では呼吸法や食養生も重視されます。腹式呼吸を意識するだけでも副交感神経が優位になり、血圧は安定しやすくなります。また、黒豆やセロリ、白木耳などの平肝作用のある食材を取り入れることも、体質改善につながります。気功や太極拳のような、ゆっくりとした全身運動も、血流改善とリラクゼーションに効果的です。
このように、高血圧という一つの症状に対しても、現代医学と東洋医学特に色彩治療ではアプローチが大きく異なります。現代医学は数値を下げることを主眼とし、即効性がある一方で、東洋医学は体質そのものを整え、根本的な原因を改善しようとします。理想的なのは、これらを相互に補完する統合的なアプローチです。たとえば、西洋薬で急な上昇を抑えつつ、色彩治療で体質そのものを調整していけば、より長期的なコントロールが可能になるでしょう。
高血圧は一朝一夕に治るものではありませんが、自分自身の体と丁寧に向き合い、日常の中に小さな変化を積み重ねることで、確実に改善への道は開けていきます。両方の医学の智慧を活かしながら、自分に合った治療法を見つけることが、健康への第一歩となるのです。
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