最新情報をふまえた突発性難聴(急性感音性難聴)の原因と対策

はじめに

ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなった――。このような症状を呈するのが、いわゆる「突発性難聴」です。医学的には原因不明の急性感音性難聴とされ、短期間で30デシベル以上・最低3つの周波数で聴力が低下した状態と公的に定義されています。発症後72時間以内の対応が聴力回復の鍵とされていますが、未だに原因がはっきりせず、治療困難なケースも多いのが現状です。

本稿では、最新の現代医学の知見とともに、東洋医学の視点も含め、原因と対策を解説します。

現代医学における突発性難聴の理解

■ 原因が未だ明らかでない病態

突発性難聴はその名の通り「突然起こる感音性難聴」であり、基本的には原因が明確に特定できないことが多いとされています。内耳や聴神経の障害によっておこるとみられ、以下のような要因が指摘されています:

内耳循環障害(血流不全)
内耳の微小循環が低下し、毛細血管の血液供給が不足することで聴覚機能が低下する可能性があります。

炎症や免疫異常
ウイルス感染や自己免疫反応による炎症が関与しているという説があります。

ストレス・過労・睡眠不足
現代社会のストレスや生活リズムの乱れが発症リスクを高めるとも考えられています。

したがって、多くのケースで「特定の原因が見つからない(特発性)」とされることが、症状改善を困難にしている一因です。

■ 現代医学の標準治療

突発性難聴では、発症後早期に治療を開始することが最も重要で、特に発症後1週間以内の介入が回復率を高めます。

▶ 主な治療法

① ステロイド療法(内服・局所投与)

ステロイドは強力な抗炎症作用を持ち、内耳の炎症や浮腫を抑えることを目的に使用されます。経口ステロイドが標準治療として用いられ、改善効果が複数の研究で報告されています。

② 高圧酸素療法(HBOT)

重症例では、高圧酸素療法がステロイド療法の補助として用いられることがあります。内耳への酸素供給改善が期待される治療法です。

③ 血流改善薬・抗ウイルス薬

血液循環を改善する薬や抗ウイルス薬が補助的に用いられることもありますが、エビデンスは限定的です。

④ 補聴器やリハビリ

症状が慢性化して聴力が残存した場合、補聴器や聴覚リハビリの導入がQOL(生活の質)改善につながります。

■ 治療の課題と最新医療

最新のガイドラインでは、単に標準治療だけでは聴力を十分に回復できないケースが多く、補助的治療の開発や統合的ケアが求められているとされています。

例えば、局所ステロイド療法(鼓膜内に直接注入する方法)は、従来の内服ステロイドに効果が乏しい場合のセカンドラインとして推奨されることもあります。

東洋医学における突発性難聴のとらえ方

東洋医学(漢方・鍼灸・色彩治療)では、突発性難聴は単に内耳だけの疾患とは考えず、全身的なバランスの乱れが耳に現れた症状と捉えます。

■ 東洋医学的な原因観

東洋医学では以下のような体質・状態が関連するとされます:

血流の滞り・気血の停滞
内耳への血流がうまく巡らない状態は、気血の滞りととらえられます。

首肩こり・自律神経の乱れ
肩こりや首の緊張が内耳に向かう血液の流れを阻害し、聴覚異常につながると考えられることがあります。

「水毒」や「気の滞り」
東洋医学用語でいう「水毒(体内の過剰な水分)」や「気血の滞り」が、症状に関連するととらえられることもあります。

■ 東洋医学における対策

◉ 鍼灸治療

鍼灸は、気血の巡りを整えて炎症を抑え、自然治癒力を高める補完療法として評価されつつあります。体系的レビューでは、鍼灸を標準治療と併用することで、聴力改善や治癒率の向上が示唆されている研究もあります。

ツボ(経穴)は首・肩・耳周囲だけでなく、全身の調整点も用いられます。これにより、血流と自律神経のバランス改善が促されると考えられています。

◉ 色彩治療
色彩治療では突発性難聴の多くはストレスからくる血流不全であるとの観点から脳血管の血流改善、自律神経の調整、難聴、耳鳴りのカラーを用いることで症状の改善がみられています。

◉漢方(生薬)

東洋医学では、患者個々の体質に応じて漢方薬を処方します。たとえば、血流を改善し気血を補う代表的な処方が使われることがあります。

◉ 生活養生

心身のストレスを減らし、首・肩こりや冷えを予防する生活習慣の改善が重要です。温める・十分な睡眠・適度な運動は東洋医学でも推奨される対策です。

統合医療としてのアプローチ

現代医学と東洋医学は対立するものではなく、相互に補完し合う関係と考えられます。突発性難聴は早期に現代医学(耳鼻咽喉科)の診断と治療を受けることが最も重要ですが、標準治療だけでは回復が不十分なこともあります。

そんな時、鍼灸や色彩治療や漢方を補助的に併用することで、血流や体質の改善を図り、機能回復を助ける可能性があるという研究結果も出てきています。

おわりに

突発性難聴は原因不明とされることが多いものの、炎症・血流障害・自律神経の乱れが関係している可能性が高いと考えられています。現代医学の標準治療を受けつつ、東洋医学の視点で身体全体のバランスを整えることが、症状を和らげ再発を防ぐ鍵となるでしょう。

著作者紹介

保田宏一、1960年生

1985年東京都立大学工学部工業化学科卒業。同年凸版印刷株式会社中央研究所入社、1988年東京工業大学院総合理工学研究科電子化学専攻山崎研究室に2年間国内留学。1991年ソニー株式会社総合研究所入社。以降光ディスクの研究開発に携わりブルーレイディスクの記録膜を開発した。1999年伯父の加島春来が色彩治療を開発した。色彩治療について研究するための医学知識を得るべく花田学園日本鍼灸理療専門学校にエンジニアをしながら3年間夜学に通い、2002年鍼灸師資格取得。2014年ブルーレイディスク研究開発終了したので、色彩治療の研究をするため青山色彩鍼灸院開院、現在に至る。趣味はエレキギター演奏で自称おしゃれなフュージョンギタリスト。

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